一圓銀貨(一円銀貨)・貿易銀の販売

一圓銀貨、一円銀貨、円銀、貿易銀について(『日本の貨幣-収集の手引き』発行 日本貨幣商協同組合より引用)

一圓銀貨(一円銀貨)は貿易用に製造された貨幣です。当時、貿易の多くは銀貨で決済されていました。 そのため、金貨を本位にしながらも貿易用の銀貨が必要でした。収集界ではもっぱら「円銀」の名で親しまれています。 ただし造幣局の文書では「貿易銀圓(円)」とか「貿易銀一圓(一円)」と表現されています。

(『日本貨幣カタログ』より引用) 一圓銀貨(一円銀貨)は従来"貿易専用貨幣"として製造発行された。明治11年よりは国内でも流通できるようになった。しかし、明治30年、日本政府は金本位制を公布する貨幣法の制定に際し、一圓銀貨(一円銀貨)の通用停止と引換禁止を決めた。ところが、日清戦争以来台湾や朝鮮では、一圓銀貨(一円銀貨)が盛んに流通していて、すぐに通用禁止とすることができず、当分の間、丸銀の極印を打って、外地でのみ通用を認めることとした。いざ実施してみると、丸銀の極印の有る無しで、通用するしないといった市場の混乱が起こったため、明治30年10月に発行した丸銀極印打ちは、翌31年3月にはとり止めとなった。

極印の彫刻は加納夏雄が担当(『貨幣手帳』より引用)

(注)「一圓銀貨」、「一円銀貨」、「円銀」の名称差による価値の違いなどはございません。
「一圓銀貨」と「一円銀貨」の違いは漢字の新旧の違いです。「円銀」は「一圓銀貨」、「一円銀貨」の通称です。